『さんさん録』(1)──こうの史代

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【こんなのどうでしょう?】棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜 (1) (まんがタイムKRコミックス)
ジャンル:
まんがかんそうぶん
シリーズ:
種類:
読みもの
最終更新:
2007年03月17日 20時59分
シリアル:
2007-03-15-04
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  • こうの 史代(2006-03-11)
  • ¥ 760
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昨年末にAmazon.co.jpでSR-G10000を買ったときにもらったギフト券で購入(※まだポイント制導入前だった)。ひだまりスケッチの1〜2巻などといっしょに買ったんだけど、こちらは1巻が第5刷(初版は2005年11月)、2巻が第2刷(初版は2006年12月)だったのに対し、さんさん録は2006年4月発売の第1刷がそのままお家にいらっしゃった。切ない。

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実家に帰省した息子の嫁に代わって、家事を引き受けることになった参平。単調な日々の繰り返しに、ふと疑問を覚えます。

さんさん録は、1話完結の主夫漫画。妻に先立たれ、息子夫婦とその一人娘と同居することになった老年の男性、参平。状況に流されるうち、妻の残した書き付けを元に、一家の家事を任されることになってしまった彼の日常が、ユーモアある語り口で描かれます。

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で、疑念を覚えた結果、奥さんが帰ってきたときにはこんなありさまに……。(第8話『生命の危機!?』)

こうの史代の真骨頂は、この淡々としながらも滋味のある世界と、そのなかでときおりほのかに輝く日常の幸せの描写にあるんだと思う。「詩郎さんに出会ってもう十年になるのよねえ」のコマとか、こうして行き交っている人にもそれぞれの生活があり、人生があるんだなあ、と思って眺めると、感慨深いものがある。

さんさん録をして、こうの史代の最高傑作に推す人が、ファンのなかにわりと居るんだけど、その気持ちもわかる気がする。「すみません ねてました」のいい性格している奥さんとか、無慈悲なくらいとことん不細工に描かれつづける一人娘の昆虫大好き少女のなとか、キャラクターに独特の味があるのもいい。一見シンプルながら、読めば読むほど味わいが出てくる作品です。

あと、家事の描写がかなり実際的なので、家事に興味を持ってもらう取っ掛かりとして、いよいよ今年の春から大量退職が始まる団塊の世代のお父さんに、退職祝いとしてプレゼントしても面白いかもしれません。

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忘れた書類を届けに、息子の会社へ赴いた参平。しかし、息子と別の女性が、真剣な様子で話しているのを、偶然目撃してしまい……。(第6話『としより日和』)

ただ、さんさん録を、こうの史代作品の入門書にするのは、ちょっと戦略的にまずい気がしないでもない。これがこの人の味なんだけど、あまりにも何気なさすぎるし、一話まるごとサイレントだったり、「理想と現実」を同じページの上下で並行させたりといった、読みかたの難しい話があるのが、漫画を読みなれていない人にはマイナスになる気もする。

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花屋で働く奥さん。なにげない描写のなかにそこはかとなく漂う色気が良い。(第13話『母の日』)

やはりここは、まず最初に夕凪の街 桜の国でがーんと一発強烈なショックをあたえておいて、相手が衝撃から立ち直れないでいるうちに、「あの、よろしかったら、こちらも……」と、さんさん録なりぴっぴら帳なりをそっと差し出すのが、正しい戦略であるように思えるのであります。

さんさん録は単行本2巻が既刊(完結)。こうの史代は、3月に、同名のデビュー作を含む作品集街角花だよりが単行本化されたばかりです。

参考