ウィル・ライト、ポピュラーサイエンス誌で"Spore"を(長く)語る

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【こんなのどうでしょう?】銀河英雄伝説 通常版
ジャンル:
Game, SimCity & Spore
シリーズ:
Spore/スポア情報
種類:
読みもの
最終更新:
2007年02月14日 15時20分
シリアル:
2007-02-14-03

日本語版も発売されているアメリカの雑誌、Popular ScienceのWeb版に、Will Wright氏のインタビュー記事が掲載されています。

話題は多岐にわたりますが、中心になっているのは、もちろん氏の最新作であるSpore. 8ページにもわたる超長大なインタビューなので、読むのがなかなか大変ですが、その分なかなかに詳しい内容。要点だけかいつまんで抜粋してみます。

抜粋

Will Wright氏は今年47歳。Sporeの開発には7年の歳月がかかっている。

ゲーム性

氏によると、Sporeのゲーム性はアルファベットの"T"の字のようなもの。下端の部分から、細胞・部族・文明とレベルを上げてゆき、上端である宇宙に到達すると、ゲームは大きく開けてさまざまな「メタゲーム」が可能になる。宇宙レベルはオープンエンド式の砂箱のようなもの。

レベルによって、それぞれゲーム性の異なるジャンルが導入される。Sporeにおける目標のひとつは、さまざまなジャンルを、ひとつの操作体系、ひとつのUIにまとめ、つねに目指す唯一の目標をあたえることにあった。

強制的にレベルが上昇するわけではなく、あるレベルが好きなら、ずっとそのレベルで遊び続けることもできる。また、だいたいにおいて、各レベルは、次のレベルに対するチュートリアルになっている。レベルが上がるにつれてより多くの要素が解禁されてゆき、宇宙レベルに到達すると、いままでのレベルで登場したすべての要素に、いままでと違ったやりかたでアクセスできるようになる。

開発チーム

Sporeのチームは現在約100名。(訳者:2006年のE3の時点では「約70名」と言っていた) 現在のゲーム産業の規模から言えば比較的小さいレベル。チームの人数が少なくて済む理由のひとつは、Sporeがコンテンツをすべて手続き的 (procedurally) に生成するから。コンテンツをプレイヤー間で流通させるための「受粉コンテンツ」(pollinated content) 専門のチームや、エディタ専用のチームがある。

現在のSporeは、氏が最初に想像したものに「驚くほど近い」。エディタの出来などは想像以上。各レベルにはそれぞれ専門のデザイナーがいる。レベル間での統一性を保ち、プレイヤーに違和感を持たせないようにするのに苦労した。

コンテンツの作成と交換

The Simsで女性に受けたのはものつくりの要素だったので、Sporeのクリーチャーエディタだけでも女性プレイヤーに大きくアピールするのではないか。ゲーム内で凝ったなにかを作りあげ、それを他人に見せびらかしたり、みんなにあげたりできるだけでなく、今回はそれらすべての流れが自動化されている。プレイヤーはクリーチャーの作成者をブックマークして、その作者の別の作品をダウンロードしたり、なんらかのかたちでフィードバックができるらしい。

The Sims 1のストーリーブックやThe Sims 2のムービー作成に似た機能がSporeにも登場する模様(まだデザイン段階)。

プレイヤーがクリーチャーや建物・乗り物・惑星のようななにかを作成するたびに、それは圧縮データのかたちで自動的にサーバに送信される。ほかのプレイヤーがゲームをプレイする際、バリエーションを増やすために、進化ゲームならクリーチャーが、文明ゲームなら都市が、宇宙ゲームでは惑星や種族があらわれるが、これは実際にはほかのプレイヤーが作成し、サーバからダウンロードされたコンテンツ。つまりNPCのバリエーションが無限に存在する。

Sporepediaと呼ばれるカードデッキ的なシステムがあり、プレイヤーが出会ったコンテンツは自動的にカードとして記録されてゆく。ここから作成者を調べたり、ブックマークすることができる。友人をブックマークして、彼/彼女が作成したコンテンツがかならず自分のゲームに登場するように設定することもできる。

フィードバックの仕組みとして考えられているのは、レート付けのシステム。

データベースはローカルに保存されるので、ネットに接続していないときでもプレイできる。接続は非常に簡単。

通常、コンテンツのダウンロードは自動的だが、データベース全体をチェックして、自分の好きなコンテンツをダウンロードすることもできる。

ふたたびゲーム性

レベルをひとつづつ上がってゆくという意味では、Sporeは目標達成型と言えるが、目標達成のための選択肢はひとつではない。また、宇宙レベルに到達すると、ゲームはオープンエンド型の砂箱に近いものになる。惑星を征服した数や連邦の規模などのスコアを、オンラインでほかのプレイヤーと競いあうこともできる。

「競いあう」といってもオンラインで角を突き合わせて対決するわけではなく、個々のプレイヤーの環境はそれぞれ独自に完結している。

あるレベルで目標を達成できない(つまり、負ける)場合もあり、その場合はひとつ前のレベルに落とされる。生物ゲームでは、頭脳レベルを最大まで高めないかぎり、部族ゲームに入れない。部族ゲームから文明ゲームへ移るには、部族の構成員を20人まで集める必要がある。

大規模シングルプレイゲーム

技術的には、大規模オンラインゲームとしてのSporeも可能。永続世界型のSporeをつくるにあたって技術的に困難な部分は、すでに全部解決されている。しかし、オンラインゲームには、他人がプレイヤーの達成をめちゃくちゃにしてしまうという問題がある。プレイヤーが宇宙すべてを掌握しているように感じさせるには、オンラインゲームでは無理。

Sporeは、マルチプレイの共有世界の良いところをすくいあげて、シングルプレイに生かしたゲームだ。

Sims Onlineの失敗について訊ねられて)オンラインゲームでは、プレイヤーが自分の望むように体験をコントロールできるという全能感が得られない。時間がコントロールできないので、ポーズもスピードアップもできない。ほかのプレイヤー、または環境そのものを越える力を持つことができないのだ。また、The Simsプレイヤーの大部分は、ほかのゲームを一度もプレイしたことのない十代の少女だった。彼女たちに月額講読料10ドルのゲームをプレイしてもらうのは難しい。(だいたい、彼女たちの多くはクレジットカードすら持っていない) 私はハードコアなゲーマーだが、オンラインゲームは購読していない。カジュアルなゲーマーを「乗せる」のはもっと難しい。

(この後、家庭持ちだとオンラインゲームなんか延々プレイしてられないよねー的な話題がちょろっと)

多プラットフォーム展開

我々は多種多様なプラットフォーム展開を考慮している。ゲームのコンテンツは極めて小さなサイズまで圧縮でき、プラットフォームに対する依存性は低い。クリーチャーファイルは3KB程度まで圧縮できるが、これがゲームに登場するコンテンツでは、もっともサイズの大きなもののひとつ。クリーチャーを携帯電話に入れて持ち運ぶことも技術的には可能なはず。

問題はクリーチャーの持ち運びよりも、携帯電話などの環境で十分な能力を持ったエディタを作成できるかという点にある。Nintendo DSなどであれば、能力的にも妥当だろう。

(しばし、教育システムとゲームの学習効果に関するお話)

PCは、なにか革新的なことをやろうとしたときに、摩擦が少ない開発環境だ。また、Sporeのような強力なネットワーク接続を持つゲームでは、体験のハブになる存在が必要になる。高解像度のモニタ、入力デバイスとしてのマウス、ネットへの接続性など、PCはまださまざまな点でコンソールに勝っている。

Wiiの入力デバイスは興味深い。マウスほど精密ではないが、ジョイパッドなどに比べると、ランダムアクセスの面ではずっと向上している。

その他

ゲームや業界の将来に関する難しい(しかし興味深い)お話がいろいろ。

Sporeは2007年後半発売予定。

次回作に関してはひとつアイディアがあるが、まだ話したくない。「関連のゲーム」(relevant gaming) に興味があるとだけ言っておこう。(ゲームを通して人々と現実世界との繋がりを深めることを計画しているらしい)

ゲームの範囲の広さとゲームの非凡さから、Sporeは以前の作品よりも、ハードコアなゲーマーによりアピールするのではないかと予想している。同時に、The Simsのプレイヤー層とも大きく重なってくれるのではという期待もある。また、第三の波として、いままでゲームをプレイしたことのない人々も連れてきてくれるかもしれない。

参考