日本のアニメ制作におけるDEFCON度を1段階引き上げたくなる作品。MUSASHIといいこれといい、ちょっと不味すぎるですよ。最近。
財前丈太郎のここが凄いよ:
- CIA男性の声がすごく浮いてるよ
- てゆうか間の取りかたがおかしいよ
- 自動車がこっちに近づきながらぷくぷく膨らむよ
- 弾を避けた理屈に毛ほども説得力が感じられないよ
- トレーラーがくにゃってなるよ
- 落ちたのか落ちていないのかわからないよ
- 銃口の数がすごいよ。エロまんがで女の人がたくさんのチンポに囲まれるシーンよりもすごいよ
- 相手が誰か知らないのに命を狙っていたことが判明するよ
- ヘリがすごいよ
- ネイビーシールズを動かすよ
- サイズがあってないよ
- Da Bomb!だよ
官僚の不正を取り締まる側がお金使いまくりでブランドものに凝りまくり、おまけにコネも使いまくり、って時点でツッコミどころ満点。なんというか、この程度のハッタリで十分な世界があるんだなあ。こういう劇画ってあまり読んだことがないから新鮮です。演出が斬新すぎて意味不明になっているのもすごい。
車の名称やスーツのブランド名が列挙されるだけで説明が済んでしまう、というのはハードボイルドの伝統ではあるのですけど、この作品の場合、底の浅さが透けて見えるせいか、スペックオタ的な厭らしさが際立ってしまってしまうのが悲しいです。PCオタが「CPUはAthlon 64 FXでGPUはGeForce 7950 GX2のQuad SLIで……」って自慢しているのも、端で聞いているとこれと同じくらい恥ずかしいんかなあ。ちょっと自重しよう。
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#2──「告発者・・・ホイッスラー」
(2006年7月13日)悲しいお知らせです。ストーリーはアレなままだし、超演出も健在でしたが、2回目にして絵はずいぶんまともになってしまわれました。非常に残念です。
- なんで二回言うんだ
- だからDa Bombってなんだよ
- 模型をのぞき込んでいるだけのシーンまで超演出に見えてしまう不思議
- ドアのところでアホみたいなやり取りやってないでさっさと助けてやれよ。死ぬだろ
- そこで「ステキ!」になる思考が理解できない
- 死体のふりをさせる意図がわからねえ
こういう「金も女も俺んとこへ来い」的なお話にしてはフォーマルすぎる展開だと思ったのですけど、原作ではそもそもこのお話が第1話だったみたいですね。どうオチつけるんだと首をひねっていたら次回へつづいてました。
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#3──「破壊者・・・クラッシャー」
(2006年8月2日)絵のクオリティはわりと普通。前2回で特徴的だったカットインもそれほど冴えを見せません。結果的にお話のアレさ加減だけが際立った印象です。
- お嬢ちゃんって歳か?
- 目の前にいるのに「ヤツ」呼ばわり
- どこが変わった飲み方なのかよくわからん
- だからda bombってなにさ……
- 睡眠薬ですか
- ああ、ひとりだけ用心のために手酌で飲んでたとかそういうことか、とここに来て気がついた
- シェイクスピアとかボードレールとか、すげえ寒々しいんですが、世の中にはこういうのをかっこいいと思う人がいるのだろうか。顔見せした意味がさっぱりわからんし
- 「次に会うときは……」→いや、今殺しとけよ
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#4──「復讐者…リベンジャー」
(2006年8月4日)これは来ました! 前回いまいち精彩のなかったカットイン演出が今回は冴えまくり。人物の輪郭の内側に空が描かれたり、画面の端だけカットインになったり、サイズ比がおかしくなったり、カットインにカットインしてさらにカットインしたりと、アニメの常識を越えたカットインに次ぐカットインには、もはや爽快感すら覚えます。ラスト付近にちらりと絵とタイミングがヤバくなる部分あり。これからの展開に期待が高まります。
- いきなりカットインの嵐
- 悪役顔変わってね?
- 「何だね? 君は」って面識あるじゃん (あ、しらんふりしたのか? しかしこのアニメの悪役にそんな知性があるとは信じがたい)
- カットインの切り取りかたのセンスが理解不能だ
- なぜ素人をわざわざ連れてくるのか
- 会話しているうちにさっさと密談が終了
- いや、それがあるなら潜入する必要は一切なかったと思うんです
- どうやってあの窓から外に出たんだ
- なぜ素人をわざわざ連れてくるのか(※リフレイン) ヤクザ経営だと知った上で連れてくる思考能力が理解できない
- 「オシマイだぁ!」の声の出しかたが笑える
- すごい連射能力
あれ? そういえば今週「Da bomb!」って言いましたっけ。
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#5──「犠牲者…ビクティマー」
(2006年8月11日)今回も超演出が冴えまくり。そろそろ視聴者がカットインに食傷したのではと制作者が気をきかせたのか、連続カットインを越えるさらなる高等テクニックが繰り出されております。悪役の顔がぜんぜん安定しなかったり、札の積み重なりかたが変だったりと、今後に期待を持たせる要素も抜かりありません。
- 誰だこのおっさん
- 人物が横から滑り込んできて、その背後に女性ふたりがカットイン。そこではじめて全体がカットインだったことが明らかになるいう高等演出
- うわー。すげえ露骨な死亡フラグ
- 啖呵切った直後に襲われてるし
- いや……下に着く前にほかの乗客が気づくだろう、さすがに
- (元)刑事さんのお腹に刺さった三本の刀が大写しになってるシーンですけど、これどういうアングル? 腕の被さりかたがおかしいよね (あー、腕の部分は恒例のカットインと考えるべきですか?)
- それより丈太郎たちはどうやってエレベーターに追いついたのか
- 意外に長生きするおっさん
- 回想まで始めやがった
- お堀にうつった夜景……かと思いきや回転したよおい!
- やれやれようやく旅立たれましたか。長かった
- たいして関係のないサブキャラ一同まで泣いてるのがわからん
- この場面はきれいな音楽で決めるんじゃなくて、格好悪く聞こえるのは承知のうえで、「ヨサホイ節」(?)とやらを歌わせるべきでは
- どこの国の墓地ですかここは
- このアニメは画面の周囲を棒状のもので取り囲む演出が好きですね
- 銃ちっさ! 顔でっか!
- 回想くどいなあ
- 財前丈太郎におけるサブキャラたちの行動は、デトロイト・メタル・シティにおける観客たちのリアクションと同種のものではないかとふと思った
あと、「犠牲者」だったら「ビクティム」でいいと思うんです。「ビクティマー」なんてデタラメな英語をわざわざ造って格好をつけるという行為が財前丈太郎の立ち位置を如実にあらわしているようで、これはこれで面白いのですけど。
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#6──「退場者…エグジッター」
(2006年8月17日)録画をチェックしてみたら、最初の15分はジモンちゃんがロデオボーイの新型を紹介していたんよ。建設会社のメガネ社長が「ひ、ヒデアキ……この人たちは……!」と言ったその瞬間にタイムアップだったんよ。じつに痛恨の極みなんよ。
- 内閣なんちゃら室って公知の機関だったのか (そういえば数回前、首相がインタビューに答えてなんか言ってたな)
- なんでこの外国人は訊かれてもいないのに内情をぺらぺらバラしまくるのかな? かな? (しかも大勢の前で)
- むしろ敵側に消されそうだよねこの外交官。取調べ側にとっては、生きたまま喋りまくってもらったほうがよっぽど利益になりそうだ
- 裏切っておいて泣かれましても
- しかしこのヤクザさんの顔は安定しねーなあ
- 今回も冴え渡るカットイン
- 「まずい…… 最悪のシナリオが動き出すぞ……」で吹いた
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#7──「権力者…モンスター」
(2006年8月26日)よかったね! 今回はかっこいい英単語がうまいこと見つかってよかったね! と作者と喜びを共有したくなるサブタイトルの回。前回録画時間が切れたあとに凄い展開があったらしく、大臣と建設会社の社長がいきなり両方とも殺されております。しかも「フッ……いきがるなよ若僧。ヤツなどしょせん政官癒着四天王最弱のひとりに過ぎんわ」的なインフレ展開。体内にガン鬼の銃を隠し持っていそうな筋肉髭老人まで登場しております。
- 「やめろぉーヒデアキ」の声のへたれ具合いがなかなか笑える
- それにしても社長の顔変わりすぎじゃ……
- わー。急展開。いきなり死んでるよ大臣
- また回想シーンか
- 悪役だったくせに死に際にかっこいいこと言っちゃったよこの人
- でもこの痙攣っぷりはギャグだ
- すげえステレオタイプな関西弁ヤクザ
- えー! 飛び降りたよこの人! おまけに追いついたよ!
- なぜ財前丈太郎は毎回敵に顔を見せにゆくのか
- (あのままやり合えばワシの命もどうなっていたか……)で吹いた
- えーと、「爆破でも生き残っていたではないか」とか言っておいてなんでまた爆破してるのかなこの人は
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#8──「復活者…カムバッカー」
(2006年9月1日)初回はテレビの前のぼくらをあんなに楽しませてくれたというのに、残念ながら……じゃないや、素晴らしいことに、あれ以降財前丈太郎はしぶとくクオリティを保っています。今回の冒頭の眼鏡さんもなかなか綺麗に描いてあったし。
カットインは今回も寸鉄の鋭さ。序盤に効果音をつけて数回使用し、視聴者にカットインを印象づけたところで、中盤はじっと抑制。視聴者のフラストレーションが高まり始めた頃合いを見計らって、多彩多芸なカットインを手品のように繰り出し、終盤のカタルシスを盛り上る試合巧者ぶりです。新沢基栄の奇面組を彷彿とさせるおなじみの異常スケールに加え、画面の左右へのカットインや、カットインした顔の背後に別の顔がカットインする多段カットインまでをも駆使。この超演出により、財前丈太郎のただならぬ作品性がいやがうえにも際立っているのは、間違いのないところでしょう。
- 脱出装置?→そういえば前回最後に爆発してたっけ。すっかり忘れてた
- 「真実があるぜ」とか格好つけておいてただのオフィス
- サブキャラがいつのまにか捜査官に。こんな縁故採用が許されてよいのか
- 女性オペレーターがすごいへたれ声だったんですが……。声を当てたのはEDで紗綾と記載されてる人? ああー、11歳Fカップの人か
- Da Bombが1日に2回出たよ!
- この作品の死亡フラグはなぜこんなにあからさまなのか
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#9──「対決者…デュエラー」
(2006年9月9日)軍刀が上下に画面を切り分けたり、人物型の切り抜きが出たり、芸者が画面を横切ったり、縦横無尽のカットインは今回も健在ですが、この作品のすごさはそれだけに留まりません。泳ぐのをやめたとたん死んでしまう魚のように、水滴に写る顔、ザコ捜査員たちの斬新すぎる死亡描写、立ち上るオーラ、奇妙なズームを見せるパンチと、超演出があくなき進化をつづけています。この貪欲な姿勢は、アニメ関係者ならずともすべての人間にとって見習うべきものでしょう。
- なんちゃらFカップのヘタレ声優さんが今回も登場
- 緊迫した場面なのにオフィスの様子がすごくのんびりしている。てゆーかこの間延びした机の配置はなんだ
- 「貴様には刑務所すら生ぬるい……」って台詞はパロディなんでしょうか
- CM直前のリフレイン
- あんたまた飛び降りたのかよ
- 一刀両断しやがった──!
- なんかすごいオーラ出た──!
- なんか変なパンチ出た──!
- 偉そうなことを言っておいておとなしく目をつぶった──!
- 過去話はじまった──!
- 「ワシの命を狙うヤツはごまんといるからのう」という言葉は彼の存在を知っている理由の説明としては特に必要ない気がするのですが
- 部下の顔が「な、なんだって──!」ふうにカットインした──!
- この作品の悪役は死亡する前に愛国フラグを立てるのがお約束であるらしい
あにかん:『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』#10──「窮地者…ディフクルター」
(2006年9月17日)終盤に入ってますますヒートアップする超演出。恐るべき抱腹絶倒の展開が、あるときは右から左からスライドし、あるときは大胆にカットインし、あるいは舞い落ち、あるいは画面の縁を取り囲みます。一瞬たりとも目が離せないとは、まさにこの作品のためにある言葉でしょう。
- 冒頭から飛ばしまくり。遺影と敬礼の情景が涙を誘います(笑いすぎで)
- 社長を取り囲むちんぽカメラ
- 会議場面で猛威をふるうカットイン。画面の中央に手が飛び出して画面を三分割し、一方の端に人物の顔がカットイン。手のひらの空間が切り抜かれ、内側に挙手した人物がカットインしたかと思えば、もう一方の空間に別の人物の顔がカットインするという、常人の想像力の及ばない恐るべき演出が展開されます
- なぜ重要な書類をわざわざ社長の車に積み込むのか
- しかもなぜそのことを社長に教えるのか
- 舞い降る札
- ぬまずなんとかさんの格好がちんぴらヤクザ化
- 取調べでステーキを食う馬鹿
- おお、こんどは札がCGになった(って、なんでさっきは手描きだったんだろう)
- この吹っ飛ばしかたはわりとかっこよかったような
- 本日二度目のDa Bomb!
- なんとかFカップさんは今回もなかなかの棒読みぐあい
- 窓から見える抗議行動のすごいスカスカ感
- なんだ内取支持率って
- 世論操作と言論統制って別物だよね
- ゆらゆら動くプラカード
- コマがつぎつぎとカットイン。なぜかギャグマンガ日和を思い出す
- またちんぽマイク
- なんだメルシーとムッシュって。この繋がり眉毛は
- カメラ固定で画面奥に消失点があり、人物がカメラに近づいてすこしづつ大きくなる……はずなのに、黒点がぜんぜん大きくならない。すごいだばだばしてる
- なんだ影の設立者って(これでぬまずが設立者として出てきたら笑うな)
たくさんの人に惜しまれつつも、次回ははやくも最終回。楽しい時間はあっという間に過ぎるというのは本当ですね。
『内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎』#11──「完結者…エンダー」
(2006年9月23日)初回こそひどい作画の崩れで話題を呼んだものの、この作品の作画は、全体を通してみれば、けっして悪くはありませんでした。(良くもありませんでしたが) この、低空飛行ではあるものの安定したクオリティを支えたのが、奔放なカットインを筆頭とする、いわゆる「超演出」でした。
この作品で使用された技術は、そのほとんどが背景・位置関係のような詳細な描写や場面転換を省きながら状況を説明し、人物や部分を大きく描いて迫力を出すための手法でした。阿波踊りやヘリコプターの降下場面など、最終回でもなお多用されたこの表現は、その意味では、日本のアニメファンの理解力の限界に挑戦していたと言えます。この作品は制作者と視聴者の知恵くらべであり、対決でした。その一方で、この作品の制作者と視聴者は、深い協力、あるいは共犯関係にあったとも言えます。制作者の側に「日本の視聴者ならこの表現を理解してくれる」という信頼があり、視聴者は「制作者はこの表現をこのような意図で使用しているのだろう」と、突飛な域にまで到達した表現を茶化しながら、それでもきちんと理解する。内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎は、日本のテレビアニメ視聴者の高いリテラシーがあってこそ成立し得た、ある意味ではとても幸せな作品だったと言えるでしょう。
実況風箇条書き
- あれ? 前口上がなかったですよ??
- なんで阿波踊り? この阿波踊りは人がいるの? それともテレビの画面に映ってるの?
- そしてなぜ踊りながら出てくる必要があるの?
- 手を挙げたとたん銃を出す阿波踊りダンサーズ → ってことはこの人たちはここでほんとに踊ってました──!
- いや、いちいち説明しなくても、こんな大人数がそばで踊ってるだけで十分おかしいだろ
- エレベーターの扉が開くと思いきや画面が割れちゃったよ
- このヘリコプターの場面も難易度高いよな
- 今回も「なんだって──!」風の3段スライドインが
- ビッグスポンサーって。まさかブラックカードでどうにかするとかいうオチじゃ……
- ああよかった。巨悪から奪い取ったお金を当てるんですね。ってべつに良くもないか。適当にタンカ切って綺麗にまとめやがって
- 今回もDa Bomb!が2回ありました
- 「実際の〜とは関わりありません」→関わりがあると思って観ていた人は誰もいないと思います
ところであの髭のおじいさんの名前はぬまずじゃなくて今津だったんですね。最終回にしてようやく気がつきました。
