- ジャンル:
- まんがかんそうぶん
- シリーズ:
- エロまんがかんそうぶん
- 種類:
- 成人向け
- 最終更新:
- 2006年08月07日 13時03分
- シリアル:
- 2005-01-20-08
世棄犬とか馬利権造とか品葉諸友とかのペンネームを使いわける寡作作家博内和代のDOGMAN SCRAPを買ってきました。博内和代は雑誌アフタヌーン誌上でチャックのある風景・外環視点・バナナチ○コ・Sea Side Souvenir等の短編を発表してきた作家で、今回の単行本は以前司書房から発売されていたDOGMANの新装版という扱いです。
収録作は以下のとおり。司書房のDOGMANに収録されていない作品は強調表示してあります:
- 真・桃太郎伝説(カラー)
- 爆笑!! (珍)千鶴劇場(カラー)
- AVE MARIA(カラー)
- SPEED!! (冒頭4Pがカラーで再録)
- 勧誘のシオリ!
- HYPER DIMENSION CONTACT
- Childhood's End
- 紅い少女
- 慢性破綻
- 漫画はぢめて♥物語
- 秋の大運動会奮戦記!!
- 神鍵
- Artificial Intention
- 高い城の男
- (有)ウルトラ警備保障!!
- 帰ってきた(珍)千鶴劇場(カラー)
- SCRAPPED ILLUSTRATIONS(カラー)
(珍)、(有)はほんとうは○に珍/有、♥はほんとうは白抜きです。
司書房のDOGMANに収録されていた愛玩婦は収録されていません。(前単行本からの未収録はこれ一本のみ) カラーページは全部で25ページ、旧版の表紙と冒頭のカラーイラストも入っています(そのままじゃなくて切り張りされてますが)。このほか、カバー裏や巻末に細かいおまけがちょろっとあり。
世棄犬は細かく描きこんだりたくさん描いたりという細密さにこだわる人で、「エロを入れて好きなことをやる」というのが作品の方向性です。ガチエロが当たり前になった現在から見ると、エロ雑誌という媒体でエロを隠れ蓑にして好き勝手やった最後の世代のひとりと言えるのかもしれません。
前単行本発刊時のエロ漫画業界のレベルだと、絵画技術とストーリーのクオリティは高いけれど、抜き目的で使うには中から中の上レベル──というあたりがDOGMANの順当な評価だったと思うのですが、絵柄の流行が変化し、エロ漫画の競争が激化し、エロく見せるための技術やノウハウがさらに集積されたいま現在の物差しでDOGMAN SCRAPを計ると、やや厳しい評価をつけたくなるところはあります。(再録本だからしょうがないっちゃあしょうがないんですが)
ただ、読んでいてあまり印象がよくないのには、単行本サイズだと世棄犬の特徴のひとつである細密な描きこみがうまく生きないという理由もあると思うのです。大判の特殊本であれば、エロ絵の構図のひとつひとつが小さく、そのかわりページ上にたくさん配置されているというこの作家の特徴がもっと光ったんじゃないかな、と考えたりもしました。
今回の単行本は、博内和代の作品を読んで気になっていたけど、エロ方面での活躍については知らなかった、またはフォローしきれずにいた人にはおすすめできる内容だと思います(それでも未収録作はまだ残ってるんですが)。慢性破綻の細々とした町並みや、漫画はぢめて♥物語の「人物を現実世界ではリアルに、仮想世界ではデフォルメして漫画的に描く」という手法のなかには、のちの博内和代作品につながる要素がたしかに見えかくれしています。寡作作家である博内和代をなんらかのかたちでサポートしたいと思っている人……はなにも言わなくても買いますよね、きっと。
おまけ:復刊ドットコムの博内和代短編集リクエスト投票ページ
おまけ2:Sea Side Souvenirが掲載された2002年5月号のアフタヌーンレビュー


















